目次
第2話 内容・ネタバレ
ー里典の敷地内・納屋の外ー
夜の静寂に響き渡る信の声。
漂の死が信じられず、受け入れられず、納屋の壁を殴り続ける信。
怒声と嗚咽を混じらせながら、頭を何度も何度も地面に叩きつける。
自暴自棄になる信を涙をボロボロ流しながら殴る里典の子、有(ゆう)。
有はわかっていた。
漂の覚悟を。信のなすべきことを。信は漂の言葉を守らなければいけない。
託したという漂言葉が信の脳裏をかすめる。
有から漂の残した地図を受け取り、その場に泣き崩れる信だった。
ー黒卑村ー
物盗りや人殺しが流れてくる無法者達の村、黒卑村。普通の者が行ったならまず生きて帰ってこれないと言われている。
事の次第が理解できずまくし立てる里典をよそに、漂の亡骸を抱く信。
信もわけがわからなかった。
漂の死。その原因。そしてそれを差し置いてでも行けという無法者の地。
とにかく漂が行けというなら行くだけだ。
黒卑村への道を急ぐ信を高みから見下ろす、梟の姿をした異形の者ー
そんな折、信を行く手を阻む黒卑村の住人。
信が背負っている漂の形見の剣を見て、それを置いて行けば五体満足で人売商に売っ払ってやるという黒卑村の住人を一掃。
先程の梟の姿の者は、名を貂(てん)と言い、黒卑村の住人に来訪者を告げ、日銭を稼いでいる者であった。
その貂に、信にやられた住人が皆を起こせ、あいつを殺すと怒鳴る。
ー再び里典の敷地内ー
漂の亡骸を前に思案する里典。
追っ手が来ると言っていたから死体には触らない方がいいのだろうが、、このままではあまりに不憫…
そんな里典の背後に気配なく近づく黒ずくめの大男。
大男は自分に気づいた里典の家族をギョロリと一瞥すると、漂の死体をじっと見下ろした。
里典はこいつと話したか?と問われたが既に死んでいたことを伝える。
背中の大刀をガララと抜くと同時に漂の首を落としにかかる大男。
里典の子、有が漂の死体を弄ばれるのを止める。
剣を止め、ゆっくりと振り返る大男。
有をかばう里典を殴り倒し、有の首を掴み、太ももを剣で刺す大男。
大男は隠していることを言わないと殺すと脅す。
ー黒卑村ー
梟の被り物をした貂(てん)の笛が鳴り響く中、黒卑村は信ただ1人に振り回されていた。
黒卑村の住人の怒号が飛び交う中、信は冷静だった。
ー俺の剣は、俺達の剣は、天下に轟く剣だ!
信は黒卑村の住人と戦いながら漂と出会った時のことを思い出していた。
漂は信に、この奴隷と変わらない生活、地位から抜け出すには剣しかないということを教えてくれた。
「天下の大将軍になる」
その夢も漂が与えてくれたものだった。
誰にも負けない。
黒卑村の住人のほとんどを倒し、信は歩を進めた。
既に信の息は切れ、全身から汗が吹き出ている。
漂から預かった地図が示す川の合流地にようやくたどり着いた。
ー川沿いのほったて小屋ー
何の変哲も無いほったて小屋。
漂の仇も取れず、わけもわからず指示された場所までたどり着いた信は、自分自身納得がいくはずもなく、自嘲的な笑いとともに怒りが込み上げていた。
なんで死んじまった…
納得のいかないまま怒りで勢いよく小屋の幕を開ける信。
その中で目にしたものに、信は言葉を失った。
衝撃で持っていた木剣がカランとその場に転がる。
そんな…バカな…
漂!?
小屋の中で姿勢良く座っていたその人物は、信のよく知る漂そのものだったのだ。。。
もしも第2話がこうだったら、、、
もしも有が信を止めなかったら
もし里典の子である有が、信の暴走を止めなかったら、、、確実に敵討ちに行って死んでますね。。朱凶は倒せたかもしれませんが、その後はアウトかと。
そうなると、嬴政も生き延びれず、秦の統一も無いか。。。
もしも有が朱凶を止めなかったら
またまた有が、漂の亡骸の首を跳ねようとした朱凶を止めなかったら、里典一家は殺されずに済んだでしょうね。殺されることを理解しつつも、朱凶を止めた有の行動からも、有の漂に対する感情が伺い知れます。
もしも黒卑村で信がやられていたら
そんなもん言うまでもなくキングダム完ですわ。
第2話 感想・考察
漂が死ぬ第1話を受けての第2話です。漂の死のシーンから話が始まります。
この話では信の心情がよく描かれているなと思いますが、この話のMVPはなんと言っても里典の家族ですね!
里典の子、有がいなければ、信を殴ってでも正しい方向に導いていなければ信は敵討ちにとらわれて死んでいたと思います。。。
まだ小さい有にそんな行動を起こさせる漂の大物っぷりがよくわかるシーンです。
また、里典からの信頼も厚く、愛されていたことが、里典の漂の亡骸を見た時の心情からわかります。
しかし、漂の地図の場所ですが、信が走って二刻(4時間)って、、、
さすがに4時間走るのは遠すぎるんじゃないのか、、、中国広いからそんなもんなのか、、、
と色々考えてしまいますが、無理矢理納得しました。
この話の中では信と漂の初対面シーンも回想として登場します。
大将軍を目指すきっかけや道を示してくれたのは漂だったんですね。言い続けることで、初めはそんなの無理だと思っていた信も大きくなった時には自分が大将軍になることを1ミリも疑わないようになっている変化も見ていて楽しいです。
貂も初登場!と言ってもまだ被り物ですが(笑)
そして最後には、嬴政も登場し、物語が加速していきます!
続きが楽しみですね^^