キングダム1巻第6話「漂の決意」

 
キングダム1巻第6話「漂の決意」
 

第6話 内容・ネタバレ

ー黒卑村抜け穴ー

信、貂は歩を止めて、政の話を聞いていた。

政の話を聞き、貂はある疑問を投げかける。

「でも王弟派だらけの王宮からよく1人で逃げられたね」

「一臣、俺に忠誠を尽くしてくれる男がいる」

四面楚歌の王宮内で政の教育観だった昌文君ただ1人だけが政の味方だと政はいう。

昌文君は政を守るため文官となったが、それまでは戦場で武勇を誇る武官であった。

昌文君は成蟜と竭氏の反乱を知り、自らの私兵だけでは止められぬことを悟り、政の脱出計画を練ったのだ。

各々が合流する地点をいくつか作り、この黒卑村はそのひとつだった。

しかし、黒卑村からの帰路、昌文君は政と瓜二つの少年と出会う…

その瓜二つの少年、漂の出現により合流地のひとつに過ぎなかった黒卑村が政の隠れ家に決定した。

脱出に自信のあった昌文君にしてみれば、黒卑村の隠れ家も漂という影武者も”万が一”の保険であった。

「しかし、その”万が一”のおかげで俺はまだ生きている」

黙って聞いているてんの横で、信が声を震わせる。

「ちょっと待てよ…」

「万が一のためだと…?」

「万が一のおかげだと?」

「ふざけんじゃねえ!!」

ドガッ!

怒声とともに信が政を殴りつける。

「お前ら漂の命をなんだと思ってやがる!よくも漂を!」

貂の制止も振り払い、信は政を殴り続ける。

「漂の敵だ!!」

ガッ!

それまで殴られるままにしていた政が信の首を掴み持ち上げる。

「お前いい加減にしろ。戦争をやっているんだ!それもかなり分が悪いな!!」

信を持ち上げ、睨みつけながら政は続ける。

「利用できるものは騙してでも利用する。それが下賤のガキならなおさらだ」

「…だけどあいつは分かっていた」

「漂はそのことを理解っていてあえて…」

回想シーンー王宮・大王の寝所ー

「身代わり?」

「心配することはない。脱出は万全で、王に反乱の刃が届くことは絶対にない。念には念をということだ」

漂の問いに昌文君が答え、それを漂は黙って聞いていた。

「ごまかすな、昌文君」

突如政が話し始め、漂は急いで平身低頭する。

「自信はあっても絶対の確信がないから影を必要としている。はっきりとそう言え」

「漂とか言ったな、よく聞け。この計画に安全の保証というものはない。敵の刃はお前に届くかもしれぬ。その時お前は俺に間違われて殺される」

……

部屋中に静寂が流れ、恐怖のあまり声も出ないかと思われたその時、漂が話し始めた。

「田舎の下僕が突然王宮に仕えるなどよほど大変な任務が待っていると思いましたが、よもやこんな大任をお受けできるとは思ってもいませんでした」

漂は2人の予想を覆し、笑顔で言った。

「死ぬかもしれないのだぞ」

政が念を押すように言う。

史に名を残す天下の大将軍

「友とふたり、身の程をわきまえぬ大望があります」

「もとより全てをかける覚悟です」

ー黒卑村の抜け穴ー

「漂は危険を承知で受け入れた!死をも厭わぬ覚悟で!」

「下層民が普通に生活していては絶対に手に入らない、大きなものを手にするためにな!!」

言い終わると同時に信を地面に叩きつける。

「だけどあいつは…」

政が唇を噛み締めながら続ける。

「失敗した」

「ただそれだけだ」

その言葉を聞き、信の脳裏に漂の死が蘇る。

ひざまづいたまま声を出さず大粒の涙を流す信。

風の流れから抜け穴の出口が近いことを知った政は、再び道を進む。

「信」

「漂の弔はその涙で最後にしておけ」

「これから先はお前の路だ」

政の言葉の真意を読めない信に政が続ける。

「お前は今2つの路の岐路に立っている。里に帰って下僕を続けるか」

「薄弱の王を援けともに凶刃の野を行くか」

「”お前ら”の馬鹿げた夢にどちらが近いかは言うに及ばんな」

信はその場で座りながら自問自答する。

ー俺の路。考えるまでもない。

抜け穴を抜けた先では、夜明けがすぐそこまできていた。

第6話 感想・考察

漂が殺されるきっかけがわかる回である今回は、終始信と政のやりとりが続きます。

それまで信は漂が政ら王宮の都合で殺されたと思い込んでいました。

しかし、事実がそうでないことを知り、自分の考えの浅はかさと漂の決意の深さを思い知らされることになります。

政の話によって信は気付かされたのです。

自分の言動が、漂の死を侮辱しているということに。

そこからは政が言うように自分の路をどうするかということを考え始めるのです。もちろんその路というのは天下の大将軍になるということ。

決意を新たにした信のこの先を照らすように夜明けのシーンに繋ぐとは、、、演出がにくい!

しかし、、漂はすごすぎる!!

13、4歳で死の覚悟ができるのもすごいですし、自分がどれだけすごいことを成そうとしているのかを理解しているなんて、、、

だって中学生ですよ!私なんて中学の時は。。。

いくら昔は平均寿命が短いために成人も早かったとはいえすごすぎる。。。

信も政も漂もすげえっすまじで。。。

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